
発達障害の方は毎日、外から帰宅した時、
「帰ってこれた、、、」「今日も疲れた、、、」
と特に激しい運動をしたわけでもないのに精神的疲労を感じることがあるのではないでしょうか?
逆に休日、一日中家で過ごした日は精神的な疲労を感じないのではないでしょうか?
筆者は発達障害グレーゾーン(ADHD & 強めのASD)です。
毎日、朝9時から夜19時まで大学の研究室で実験し、帰る生活をしていたのですが、特に忙しくなかった日でさえ、家に帰るとすぐにベッドに倒れ込みます。
これはASDの影響より脳や神経の疲労しやすいためだと考えます。
そこで今回はASDが「疲れやすい」理由を考察していきます。
「疲れる」のは障害をうまく誤魔化してるから?
人より多くの脳や神経を使ってコミュニケーションをとっている
ASDが健常者よりも「疲れやすい」のは健常者の中でコミュニケーションをとって生活するのに、自分の脳と五感がフル動員しているからです。
ASDは社会性やコミュニケーションの障害があることから、脳の言語や社会性に関わる領域に異常が起きていると言われています。
そのため、「相手の発言の意図を理解すること」「空気を読む」「察する」などが苦手としています。
目や耳から無意識に情報を多く集めている
ASDの頭の中では相手や場の状況を理解しようと無意識により多くの情報を集めようとします。
視覚や聴覚だけでなく体の様々な感覚器官を用いて、言葉の言い方やしぐさ、雰囲気などをから情報を集めて、なんとかうまく相手とコミュニケーションをとるのです。
・空気を読めないのに空気の変化を敏感に察知できてしまう。
・物事の観察力い優れている。
というASDの特徴を説明できます。
したがって、ASDは苦手分野(脳の機能不全)を無意識に脳や神経がフォローして、うまくやり過ごしているので、健常者よりも精神的に疲れやすいのです。
障害を誤魔化す努力の結果、「神経過敏」になり、その結果さらに「疲れやすくなっている」?
軽度な「神経過敏」ではストレスを感じていることに気づけない
ASDの特徴で「神経過敏」があります。
これは神経の感覚が通常と異なり、音や光などの刺激に対して敏感な症状です。
人によって刺激や症状の程度は様々ですが、刺激に対して明らかに不快と感じなくても、無意識に特定の刺激に対してストレスを感じている場合も大いにあります。
そのため、何もしていなくても、外や職場、学校にいるだけでストレスを感じています。
私自身も人の声が苦手な傾向があります。
普段は気にしないでいられるのですが、ストレスが溜まっている状態のときは、人の声が多い場所は耐えられず、静な場所に避難することがよくありました。
発達障害とわかってから、人の声に対して無意識にストレスを感じており、軽度の「神経過敏」があるとわかりました。
「神経過敏」は障害を誤魔化す努力の結果、生まれた。
発達障害者は日々健常者の中で生きるための努力を強いられています。
健常者の中にうまく溶け込むため、常に神経を鋭くさせる必要があるのです。
そのような努力を日常的に行っているので、ASDの神経は通常より鋭くなっていきます。さらにASDは遺伝されていきます。
長い年月かけて、神経を鋭くさせていった結果、生まれながら神経の一部が過剰に鋭くなり、神経過敏にもつながっているのです。
神経過敏についての考察も以前の記事で行っていますので、良かったらご覧ください。
beyondnormtsuhot.hatenablog.com
小さなストレスは気づきにくい
一見、日常生活に大きな支障はない軽度の「神経過敏」ですが、それはそれで厄介です。
体が無意識に感じており、されにストレス自体は小さいです。
そのため本人が知らず知らずのうちに精神的に疲弊してしまう原因となります。
しかし、いつどこで感じたストレスなのか、見つけるのが簡単ではありません。
自分の感情や行動を細かく観察する必要があるでしょう。
まとめ ASDはストレスに弱いのではなく、常に様々なストレスにさらされている!
以上のようにASDは常に人間社会に溶け込む努力を強いられています。
その結果、日常生活の様々な刺激に対しても敏感になってしまっています。
このような大きいストレスや気付きにくい小さなストレスと闘いながら毎日、生活していかなければなりません。
そのため、いかに日常からストレスを減らすことを考えるより、毎日できるストレス解消法を見つけるとが必要でしょう。
参照:
・発達障害の「疲れやすい」その5つの原因と今すぐ使える対策法! | キズキビジネスカレッジ
・【図表でわかる!】発達障害 × 疲れやすさ | その原因は?感覚過敏・発達性運動協調障害・睡眠障害… : 【図表でわかる!】発達障害 - TEENS